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リターン÷リスクとは?~なおちゃんの婚活編~

リターン÷リスクとは?~なおちゃんの婚活編~

ここでは、“リターン÷リスク”について、なおちゃんの婚活をテーマに一緒に考えていきましょう。

登場人物

「結婚こそ人生最大の投資よ。」とお母さんから聞いていたなおちゃんは、二人の男性から結婚を迫られ困っています。
人間性は二人とも魅力的なのですが、なおちゃんは収入面も重要な要素と考えています。

1人は堅実派のけんじ君。 月収は20万円でほぼ一定で、昨年の年収は240万円でした。

けんじ君の収入

もう1人は個人事業主のこうじ君。 個人で事業をしていることもあり、昨年の月収は▲30~100万円とマイナスの月もありますが、昨年の年収は480万円でした。

こうじ君の収入

「去年の収入からすると480万円のこうじ君かな。でも・・・」となおちゃんは悩んでいます。

投資の解説

なおちゃんは収入を重要と考えているようですが、けんじ君の昨年の年収は240万円で、こうじ君の昨年の年収は480万円。
収入の面からこうじ君に分があるのは、なおちゃんの言うとおりです。

投資の世界でも同様に月収や年収に相当する儲けや損失はあります。儲けと損失を投資のリターンといいますが、投資の世界ではリターンを金額で表すこともあれば、投資金額に対する損得の割合で表すこともあります。
投資金額に対する損得の割合で表す場合、

投資のリターン = 得した額(損した額) ÷ 当初の投資金額 になります。

例えば、なおちゃんが100万円を投資信託に投資しました。初日に1万円損した時には、
1日の投資のリターン = ▲1万円 ÷ 100万円 = ▲1% となり、「1日で1%損しちゃった↓↓」となります。

逆に、1ヶ月で5万円得した場合は、
1ヶ月の投資のリターン = 5万円 ÷ 100万円 = 5%
「1ヶ月で5%得しちゃった?」となります。

それにしても、なおちゃんの「でも・・・」が気になりますね。

なおちゃん

なおちゃんは、お母さんに相談してみることにしました。

お母さんは、「けんじ君の方がいいんじゃないの。安定が一番よ。こうじ君には悪いけど、リスクが大きいわよね。」と答えました。

なおちゃんは、リスクが大きいという意味がよく理解できませんでした。

リスク??? リスクってマイナスの意味じゃないの?こうじ君が危険ってどういうこと?もしかしてこうじ君の会社って、危ないことしているのかしら?
お母さんはリスクの意味について丁寧に教えてくれました。

なるほど、なおちゃんは理解しました。「そうはいっても・・・。」

投資の解説

なおちゃんが理解できなかったリスクの意味ですが、投資の世界では“リスク=危険”ではなく、値動きの振れ幅とその起こりやすさを表しています。

けんじ君の例でいうと、彼の1ヶ月の収入は17~24万円で、収入の振れは小さいものでした。今後もけんじ君がとんでもなく昇進するか、問題でもおこさない限り、収入の振れは小さいままです。このような場合をリスクが小さいといいます。

けんじ君の収入イメージ

ではこうじ君の場合はどうでしょう。彼の1ヶ月の収入は波乱に満ちています。

こうじ君の収入イメージ

リスクのイメージ図

つまり、お母さんがいうリスクが大きいとは、これまでの収入の動きを参考にすると、将来こうじ君は儲かる場合もあれば、損する場合もあるのよ。と言っているのです。

こうじ君は、昨年は年収480万円とある程度うまくいきました。ですが、月々の収入は大きく振れました。また、今年以降も事業がすごくうまくいく可能性もあれば、全くうまくいかない可能性もあります。

うまくいかない可能性だけではなく、うまくいく可能性、どちらでもない中間の可能性といった起こりうるすべての可能性をリスクと呼んでいます。

将来のことを予想するのは、過去を振り返り分析することが近道です。
リスクについても同じように考えます。

ある特定の投資信託のリターンが、どれくらいの頻度でどれくらいの幅で発生したのかを知ることができたら、商品を選ぶ上でうれしくないですか?

リターンの発生する確率のイメージ 言い換えると、この商品に投資していたら、過去100日のうち約70日のリターンが○○%~▲▲%の間におさまっていた。

そうなのであれば、明日のリターンも○○%~▲▲%の間におさまる確率は7割くらいかなぁなんて参考にできます。残り3割の確率でその範囲から外れるわけですが、全く何の目安も持たずに大切なお金を預けるよりは、この商品のリターンは大体これくらいの確率でこの中におさまるんだ、くらいは知っておいた方が安心して投資できます。

地震保険に入る、入らないを考える場合も同じです。震度7以上が発生する可能性が8割以上あるのに、地震保険に入らない人はいません。逆に、震度7以上の可能性がほとんどないというのであれば、地震保険には入らないですね。

それにしてもなおちゃんはまだ悩んでいます。どうしたのでしょう。

振れ幅

「でもね。お母さん。リスクを取らなければ、より多くの利益は期待できないのよね?
リスクはあるけどたくさん稼ぐこうじ君とリスクはないけど少ししか稼がないけんじ君。どっちを選べばいいのかしら?」
なおちゃんは尋ねました。

お母さんは、ちょっと考えて答えました。

「こういう風に考えてみるのはどうかしら?つまり、うまくいっている時は収入も多くなってわくわくするわ。逆に、うまくいかなくなると収入が減ってハラハラするのよ。この“わくわくハラハラ”の大きさがリスクよ。収入をこの“わくわくハラハラ”に対する見返りと考えるのよ。“わくわくハラハラ”させられたのに収入が少しだったら、安定した少しの収入で穏やかに暮らせたほうがいいと思わない?もし“わくわくハラハラ”させられてもその分収入が多ければ、その“わくわくハラハラ”に付き合わさせられた甲斐があるってもんよ。」

「そんなのどうやって比べればいいの?」

「リスクである“わくわくハラハラ”は収入が振れるから生じるのよね。じゃあ、その振れを考えてみようよ。去年の場合で考えたらよ。・・・。」

投資の解説

これが“リターン÷リスク”の考え方です。

例で示してみますと、
けんじ君の毎月の収入をならしてみると、毎月平均20万円の収入です。
1月の収入は23万円なので、毎月平均20万円からの差額3万円分振れがあった、つまり3万円分“わくわくハラハラ”したということです。
2月は収入が20万円なので毎月の平均からのカイリはなく、わくわくもハラハラもしませんでした。
3月は収入が18万円だったので、“わくわくハラハラ”は2万円分でした。平均からのカイリ幅、振れ幅なので、プラスマイナスは関係ありません。

そう考えていくと、1年間の合計では、下の表のとおり26万円分“わくわくハラハラ”したことになります。
26万円分“わくわくハラハラ”の見返りが240万円の収入だったけんじ君の場合、1万円分の“わくわくハラハラ”の価値が9.2万円の収入にあたります。240÷26ですね。

けんじ君の収入

こうじ君の場合も同じです。

ならしてみると毎月40万円の収入で、1年間の合計では400万円分“わくわくハラハラ”しました。
その見返りが480万円の収入だったこうじ君の場合、1万円分の“わくわくハラハラ”の価値が1.2万円の収入になります。480÷400ですね。

こうじ君の収入

リターン÷リスクでは収入の合計がリターンに、“わくわくハラハラ”の合計がリスクにあたります。
1リスクあたりのリターンはこうじ君よりけんじ君の方が高かったようです。

 収入
(リターン)
わくわくハラハラ
(リスク)
収入÷わくわくハラハラ
(リターン÷リスク)
けんじ君 240万円 26万円 9.2
こうじ君 480万円 400万円 1.2

結婚

これでなおちゃんはけんじ君を結婚相手に選ぶのでしょうか?

ちなみに、リターン÷リスクはどうして割り算をするのかですか?
30Km走るのにガソリン5リットル必要な車と80Km走るのに10リットル必要な車のうち、燃費のいい車はどっちかを考えるのと同じで、1リットルあたりの走行距離を比べる時に割り算しますよね。けんじ君とこうじ君をリスクあたりのリターンで比較するために割り算したのです。

※あくまで“リターン÷リスク”の考え方ついての概念になります。

みつのり君

「お母さん、詳しいのね。」

「あれっ?言ったことなかった?お母さん、仕事でファンドマネジャーやってたのよ。成績を評価されるときにリターン÷リスク、リターン÷リスクってよく言われたものよ。ところで、けんじ君とこうじ君どっちにするか決めたの?」

「わたしの収入は少ないけど安定しているわ。だから、リスク小+リスク小よりもリスク小+リスク大の方がバランスはいいかと思って。夫の調子がいい時には夫に引っ張ってもらって、夫がダメなときには妻が支える、美しい姿かなと思って。」

「いっちょ前でたいしたもんね。家計のバランスを考えるなんて。じゃぁ、こうじ君で決まりってことね。」

「いやぁ、バンドのボーカルやってるみつのり君も夢を追いかけてて、リスク大でバランスはいいと思うんだけど。」

「もう勝手にしなさい!」

投資の解説

結局、なおちゃん、決めきれなかったようですね。
投資では異なる値動きをする複数の商品を組み合わせたポートフォリオを作成することで、リスクとリターンを調整します。

ポートフォリオのイメージ

例えば、値動きの安定した商品と値動きの激しい商品を同時に持つことで、値動きの激しい商品のリターンが大きくマイナスになった場合でも、値動きの安定した商品が下支えしてくれます。
逆に、値動きの激しい商品のリターンが大きくプラスになった場合は、ある程度その上昇についていくことができます。また、反対の値動きをする商品を一緒に持っておくことも安心につながります。
リスクを考え、プラス・マイナス両面どちらにも備えているのが、大切なお金を運用する上で大事なことです。
資産運用はギャンブルではありません。値動きの激しい商品、同じ方向に動く商品のみを保有していると、大きなリターンを得る可能性がある反面、悲しくなるくらい損してしまう可能性もあります。
なおちゃんのようにバランスを考えた戦略が必要ですね。

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しかし、資産をバランスよく運用するやり方に正解はありません。

リターンはいい時もあれば悪い時もあって、なかなか予想することはできません。
リスクの値も期間によって大きくなったり、小さくなったりすることはありますが、振れ幅の大きな商品とか振れ幅の小さな商品など、他の商品と比べた大まかな傾向が大きく変わることはまれです。
みなさん自身がどういった商品に投資しているのかを数字の目安で知っておくことは投資をしている時の安心につながります。

本例はリスクの考え方を説明するためのものです。個人の所得やその今後の見通しと異なり、投資においては運用実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。

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